単語のシラブル(音節)

シラブル(syllable)とはネイティブが1拍で発音する音のカタマリのことで、日本語では音節(おんせつ)と呼んでいます。

自分が知っているはずの英単語が聴き取れなかったり、海外で通じなかったりするのは、発音するときの「音のカタマリ」の感覚がずれているのが大きな原因です。

逆にいうと、単語を「英語本来の音のカタマリ」で正しく発音できるようになると、「知っている単語なのに聴き取れない」「外国人に通じなかった」という残念な経験をしなくて済むのです。

シラブルには通常、母音を1つだけ含むため、発音する母音の数で何シラブルの単語なのかわかります

また、辞書には次のようにシラブルで区切った表記が載っています。

シラブルの表記例) visit :vis・it(母音が2つ =2シラブル)⇒ 2拍で発音

これに対し、日本語は基本的に「1文字=1拍」となり、「タタタ」と短く均等に発音されます。

アメリカ英語とカタカナ英語のリズムの違いを次の例から見てみましょう。

アメリカ英語 France:1シラブル=1拍で発音
カタカナ英語 フ・ラ・ン・ス:4文字=4拍で発音
アメリカ英語 sci・ence:2シラブル=2拍で発音
カタカナ英語 サ・イ・エ・ン・ス:5文字=5拍で発音
アメリカ英語 de・part・ment:3シラブル=3拍で発音
カタカナ英語 デ・パー・ト・メ・ン・ト:6文字=6拍で発音

 

カタカナ英語で発音すると、全ての音を均等に読むため拍数が多くなり、シラブル単位で話すネイティブの速度についていけなくなります。

英単語を発音するときは、シラブルに合わせて「パン、パン」と手拍子を取ると正しいリズムがつかめます。

シラブルの補足事項

■二重母音は1シラブルとみなし、1拍で発音します。例)boat [bt] =「オウ」と1拍で発音

■母音が2つ続いて2シラブルに分かれることもあります。例)re・al [rɪəl] ⇒ ただし、1シラブルと表記している辞書もあり、このような場合はどちらの解釈でもOKです。

■英単語の綴りと発音は必ずしも一致せず、母音の綴りがあっても発音しない音はシラブルに数えません。例)take [tk] ⇒ 語尾の綴り「e」は発音しないのでカウントしません。

■「発音する母音」を表す文字が「a,i,u,e,o」以外になることもあります。例)people[ppəl] ⇒ 正確には「p」と「l」の綴りの間に「あいまい母音ə」の発音が入っています。

シラブルに合わせた手拍子でリズム練習

英単語を発音するときは、次のように、シラブルに合わせて「パン、パン」と手拍子を取ると正しいリズムがつかめます。

例)checkout(2シラブル)⇒ 「che(♪)ckou(♪)t」と音読しながら、母音のところで「パン、パン」と手をたたく

フレーズやセンテンスでも、シラブルに合わせて同様のリズムを取ることができます。

例)I met her yesterday.(6シラブル) ⇒ 「I(♪) me(♪)t her(♪) ye(♪)ster(♪)day(♪).」と母音で手を6回たたく

実際に英文を読むときは強弱のリズムが加わるため、シラブルに合わせた単純な手拍子にはなりません。

単語の発音も、辞書通りではない弱形に変化することがあります。

が、正確なリスニング力を養うためには、まず単語単位で「シラブルのリズム」を理解しておくのが重要な基礎固めになります。

強弱リズムが加わったとしても、「発音する母音」と「シラブルの個数」は基本的に変わらないからです。

※スピードの速い音読やくだけた日常会話の場面では、単語発音の省略が起こることもあります。

単語の強弱リズム

英単語をシラブルに合わせたリズムで発音できるようになったら、今度は単語の強弱リズムに注目しましょう。

2シラブル以上の単語には、必ず強勢を置く母音があり、その部分を目立たせて「強く長くはっきりと」発音します。

同時に、強勢のない母音は「弱く短くあいまいに」読むと英語らしいリズムになります。

■前の母音を強く発音する例)pattern ⇒ pat-tern = ター・タ)

■後ろの母音を強く発音する例)guitar ⇒ guitar (タ・ター

日本語では「パターン」の「ター」、「ター」の「ギ」をやや強く読むため、注意が必要です。

単語のシラブル数が合っていても、強く発音する位置がずれていたら外国人に通じない可能性があるからです。

実際に発音を聴き比べてみてください。強く読む箇所が明らかに違っていますね。

 

アメリカ英語 pat-tern =ター・タ
カタカナ英語 ター(タ・ター
アメリカ英語 guitar タ・ター
カタカナ英語 ター = ・ター)

 

※辞書の強勢記号(/)を調べると、単語のどの部分を強く読めばいいのか確認できます。

例)discover [diskʌ́vər] ⇒ dis-cover =   (ター)

日本語は強弱の差をあまりつけない言語なので、日本人は「弱い発音」が苦手です。

「dis-cov-er(タ♪ タ♪ タ♪)」と一定のリズムで発音しないよう注意してください。

英単語を発音するときは、強勢を置く箇所を常に意識して緩急の差を目立たせるようにしましょう。

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