内容語と機能語

1つ1つの英単語に強弱リズムがあるのと同様に、フレーズやセンテンスにも強弱リズムがあります。

つまり、英文を読むときはすべての単語を同じ強さで読むのではなく、強弱の差をはっきりとつけて発音します。

このうち、英文の中で重要な意味を持つ単語を「内容語」と呼び、逆に、あまり重要な意味を持たない「つなぎ」の単語を「機能語」と呼びます。

一般に、内容語と機能語にあたる品詞は次の通りです。

内容語:聴き取れないと英文の意味が正しく理解できない: 原則として「強く長くはっきり」発音
例)名詞(table, Mike)、一般動詞(study)、形容詞(happy)、副詞(lately)、疑問詞(when)、数(one, two) 指示代名詞(this, that)、否定語(don’t, not)
機能語:聴き取れなくても英文の意味が理解できる: 原則として「弱く短くあいまいに」発音
例)be動詞(is, are)、助動詞(may)、冠詞(the)、前置詞(at)、代名詞(he)、接続詞(and, that)、関係代名詞(which)、to不定詞

英文全体のリズム単位

英文の中で「強く発音する単語」から次の「強く発音する単語」までの間隔はほぼ一定となり、これを英文の「リズム単位」と呼びます。

一定間隔で手拍子を打つと、強く発音する単語を「リズム単位」に合わせて読むことができます。

次の各例文では、赤色の内容語を強く読み、次の内容語までの時間が等間隔になっています。

こののリズムに合わせて「パン、パン」と手拍子をとると、A)は5拍、B)は4拍になります。

「♪=1シラブル(音節)=1拍」で表していますが、ここでは強く読むのみで手拍子を取ります。

A) I want to (♪♪) buy a (♪) pair of (♪) shoes at the (♪♪) store. () =5拍
B) I was hap·py to (♪♪♪♪) see my (♪) broth·er () a·gain. (♪) =4拍

 

英文の単語の並び順や読み手の意図によっては内容語を弱く、機能語を強く読む場合もあります。

例えば、「動詞+副詞」で構成される句動詞(carry out, take on など)の場合は通常、前の動詞よりも後ろの副詞(out, on など)を強く発音します。

次の例文では、句動詞「look up」のうち機能語の「up」を強く読んでいます。

Look it (♪) up in the (♪♪) dic·tion·ar·y (♪♪♪).

 

この他、内容語が3つ連続するときは、内容語の中で「強・弱・強」のリズムができたり、特に強調したい意味があるときは、その単語を目立つように読んだり、というケースもあります。

このため、常に「すべての内容語=強く読む単語」「すべての機能語=弱く読む単語」という単純な図式になるわけではありません。

特に、英語ニュースやスピーチ原稿など、一定の長さの英文では、全体の強弱リズムを整える目的で「内容語」の一部を弱く読んだり、意味を強調したい機能語を強く発音する場合があります。

英語音声をリスニングするとき、まずは「強く発音されている単語」(主に内容語)を理解することを優先しましょう

この部分が聴き取れたら、少なくとも英文全体の意味をざっくりとつかむことができます。

弱く速く発音される「機能語」は難易度が高いので、正確に聴き取るには英文の強弱リズムを習得する必要があります。

 

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