そんな話し方では聞き取れない

 

前回の学習コラムでは基本英文法の重要さを取り上げましたが、それと並んで大事なのは「英語を話すときの発声」だと思います。

「英語発音」に関するテキストを読むと、母音や子音、抑揚、リズムについての解説が書いてあり、さらに、母音と子音のリンキングや、子音の脱落などの発音ルールの説明が載っていることもあります。

これらは全て、英語らしい発音を習得するために重要です。

が、「ネイティブっぽく話す」以前に心がけておきたい、超基本的でとても重要なことがあります。

それは、「大きな声でゆっくりと話す」ということです。

・・・英語力そのものとはあまり関係ないですよね。

(なあんだ、そんな簡単なことか)と思われるかもしれませんが、実際には、英語を話すときの「声が小さい」または「スピードの速い」日本人が意外と多いのです。

その結果、残念ながら、ネイティブ・スピーカーには何を言っているのかほとんど伝わらない場合もあります。

ここで指しているのは「立て板に水のように流暢に話している」状態ではなく、発音やリズムが日本語的になっていて、そのうえで「声が小さい」または「スピードが速い」から聞き取りにくい、という状況です。

先日、ある音声学の専門家からこんな逸話を聞きました。

彼女は米国在住の日本人なのですが、あるとき、アメリカ人の旦那様と日系の国際線のフライト(おそらくJALかANA)を利用したそうです。

その際、フライト・アテンダントの機内アナウンスが日本語でまず流れ、続いて、別の言語に切り替わりました。

聞いていた彼女は、そのアナウンスが英語だということを理解するまでにしばらく時間がかかったそうです。

理由は、そのフライト・アテンダントの話す英語が「日本語式の発音で、おまけにスピードが速かったから」だとか。

しかも、横にいたアメリカ人のご主人に至っては、彼女に向かって、「これって何語?」と真顔で尋ねたらしいです。

・・・もし、その航空会社の人がこの夫婦の会話を聞いたら絶句したでしょうね。

ネイティブがほとんど聴き取れない英語アナウンス、というのはあまりに痛すぎます。というより、職務を果たしていません。

これは極端な例かもしれませんが、国際線の機内でさえこんなことが起きているのか、と私も少しショックでした。

言葉は相手にこちらの意思を伝えるためにあるわけですから、理解されないような話し方をしていてはビジネスでは通用しません。

※補足すると、「小さな声で速く話す」日本人が多いのは、日本語という言語の特徴と文化的な側面が大いに関係しているようです。

それはまた、機会を改めて取り上げますね。

英語を話すときは、まず何よりも、「大きな声でゆっくりと話す」ことを心がけましょう。

たとえ発音に日本語なまりがあっても、これだけでぐんと聞き取りやすい英語になります。

以上、学習のご参考になりましたら幸いです。