認知症患者の家族に事故の法的責任なし【Family of dementia patient not liable for accident】

News-icon15-64こんにちは!やさしい英語ニュースのAkiです。
では、さっそく本日の英語ニュースです。7ステップの学習メニューを順にこなしていきましょう。

Step1>> 英語ニュース全体をリーディング

最初に英語ニュース全体を通して読み、だいたいの意味をつかみます。この段階では単語や構造、文法の疑問点があってもかまいません。

Notary-iconFamily of dementia patient not liable for accident

The Supreme Court ruled on Tuesday that the family of a 91-year-old man who suffered dementia is not liable for a railway accident eight years ago in which he was hit and killed by a train.

Step2>> 重要単語と語句

dementia(名詞):認知症

liable(形容詞):(法的)責任がある

Supreme Court:最高裁判所

Step3>> 頻出表現と文法のミニ解説

◆ The Supreme Court ruled on Tuesday = 最高裁判所が火曜日に判決を下した

最高裁は日本に1箇所しかないため、固有名詞扱いで単語の頭文字を「Supreme Court」と大文字で表記します。「Top Court」という表現を用いることもあります。

裁判所を表す以下の類似表現を合わせて覚えておきましょう。

*地方裁判所:district court   *高等裁判所:high court

動詞の過去形「ruled」の目的語はthat節で示されています。

◆ the family of a 91-year-old man who suffered dementia is not liable for
= 認知症を患った91歳の男性の家族に~の法的責任はない

「91-year-old」が形容詞句として直後の名詞「man」を修飾しています。「year」と単数形になる点にご注意。

この男性が認知症を患ったのは過去のことなので「suffered」と過去形で記しています。いっぽう、家族に対する判決が出たのは現在のことですから「is not liable」と現在形になっています。

◆ a railway accident eight years ago in which he was hit and killed by a train.
= 彼が列車にはねられて死亡した8年前の鉄道事故

関係代名詞「which」の先行詞は「a railway accident」ですね。「He was hit and killed by a train in a railway accident eight years ago」という形が元の英文です。

Step4>> スラッシュ・リーディング ~ 区切り読みしてみよう

英文を頭から理解できるよう、意味のかたまりごとにスラッシュ「/」で区切って読んでいきます。ひとつの区切りから次へ進むときに(誰が → 何をした → なぜ)というように、続く内容を予想しながら読むのがコツです。

Family of dementia patient / not liable for accident

The Supreme Court / ruled on Tuesday / that the family / of a 91-year-old man / who suffered dementia / is not liable / for a railway accident / eight years ago / in which he was hit and killed / by a train.

Step5>> サイト・トランスレーション ~ 頭から順に和訳してみよう

スラッシュで区切った上の英文テキストを見て、区切りごとに日本語に訳していきます。後ろから返り読みせず、頭から読み進めるようにしてください。まず自分でサイトラをしてから、下の和訳例を見て比べてみましょう。

<和訳例> 認知症患者の家族に / 事故の法的責任なし

最高裁は / 火曜日に判決を出した、/ 家族が、/ 91歳の男性の、/ 認知症を患った、/ 法的責任を負わないと、/ 鉄道事故に対し、/ 8年前の、/ その事故で彼ははねられて死亡した、/ 列車によって。

Step6>> リプロダクション ~ 和文から元の英文を再生してみよう

今度は逆に、スラッシュで区切った上の日本語テキストを見て、元の英文テキストを思い出しながら順に英語を再生していきましょう。

<解答をチェック!>

認知症患者の家族に
Family of dementia patient

事故の法的責任なし
not liable for accident


最高裁は
The Supreme Court

火曜日に判決を出した、
ruled on Tuesday

家族が、
that the family

91歳の男性の、
of a 91-year-old man

認知症を患った、
who suffered dementia

法的責任を負わないと、
is not liable

鉄道事故に対し、
for a railway accident

8年前の、
eight years ago

その事故で彼ははねられて死亡した、
in which he was hit and killed

列車によって。
by a train.

Step7>> スピード音読 ~ 仕上げ読みしてみよう

最後に、英文テキストをできるだけ速く音読してください。読みながら意味が頭にすっと入ってきたらOKです。

Notary-iconFamily of dementia patient not liable for accident

The Supreme Court ruled on Tuesday that the family of a 91-year-old man who suffered dementia is not liable for a railway accident eight years ago in which he was hit and killed by a train.

参考記事: ニュースの背景知識を深めよう ~asahi.com より~

認知症JR事故、家族に監督義務なし 最高裁で逆転判決

愛知県大府市で2007年、認知症で徘徊(はいかい)中の男性(当時91)が列車にはねられて死亡した事故をめぐり、JR東海が家族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、介護する家族に賠償責任があるかは生活状況などを総合的に考慮して決めるべきだとする初めての判断を示した。

そのうえで今回は、妻(93)と長男(65)は監督義務者にあたらず賠償責任はないと結論づけ、JR東海の敗訴が確定した。高齢化が進む中で介護や賠償のあり方に一定の影響を与えそうだ。

編集後記

今回の英語ニュースで取り上げた裁判は、文字通り高齢化社会の課題を突きつけた形ですね。

下級審では認知症患者を介護する家族が「監督責任を怠った」と判断され、数百万円の損害賠償を命じられています。

そのニュースを聞いたとき、(そんな殺生な・・・。ただでさえ介護で疲れてる家族なのに。24時間、寝る時間も削って監視しろってこと?)と理不尽に感じました。

社会全体で支えていく体制を築かないと、こういう不幸な事故は防げない気がします。

さて、アメリカではいよいよ大統領予備選の行方を左右する「スーパーチューズデー」を迎えましたね。共和党のトランプ氏、民主党のクリントン氏がそれぞれ党の指名を確実にする勝利を収められるのか注目です。

私はいまだに、トランプ氏が共和党候補者として独走を続けている事実が信じられません。大富豪の実業家であるいっぽう、政治的経験がなく過激な思想と暴言で知られる人物なんですよ。

そんな彼を本気で大統領に選ぼうとしているのか、トランプ支持者のアメリカ人がそばにいたら”Seriously?(マジですか)”とぜひ訊いてみたいです。

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