数百万人がEU国民投票のやり直しを要求【Millions call for another EU referendum】

反復用:動画で通訳トレーニング

Step1>> 英語ニュース全体をリーディング

最初に英語ニュース全体を通して読み、だいたいの意味をつかみます。この段階では単語や構造、文法の疑問点があってもかまいません。

United-Kingdom-Flag-3-iconMillions call for another EU referendum

Over 3 million Britons have signed a petition for a second referendum after a majority of people voted to leave the European Union on Thursday, which sent shock waves across the world.

Step2>> 重要単語と語句

referendum(名詞):国民投票

Briton(名詞):イギリス人

petition(名詞):請願

Step3>> 頻出表現と文法のミニ解説

◆ Over 3 million Britons have signed a petition for a second referendum
= 三百万人を超えるイギリス人が2度目の国民投票を求める請願に署名した

冒頭の「Over」を「More than」に置き換えてもOKです。いずれも後に続く数字を「超えている」を意味しています。「~以上」と訳すとその数字を含んでしまうため、正確ではありません。

再投票を求める動きは現在まで続いているため、時制が「have signed」と現在完了形になっています。

◆ , which sent shock waves across the world.
= そのことは世界中に衝撃を与えた

「, which」の先行詞は直前の「after a majority of people voted to leave the European Union on Thursday」、すなわち、過半数のイギリス人が国民投票でEU離脱に投票したことを表しています。

「A send shock waves across the world」=「Aが世界中に衝撃を与える」という表現は予想外のニュースでよく使われます。前置詞「across」を「throughout」に置き換えることもあります。

◆【関連キーワードの補足説明】「Brexit」とは:「イギリスのEU離脱」を表す造語です。「Britain(英国)」と「exit(出る、出口)」を合わせた単語で、「ブレキズィット」と発音するようです。

先週の投票日(日本時間の金曜日)、テレビのCNNチャンネルでニュース速報の見出しにこの単語が使われていました。最初は意味がわからず、イギリスのどこかの地名かと思いましたが・・・。

この他、EU離脱に票を投じたことに後悔(regret)している一部の有権者が、ツイッター上で「Regrexit」という造語を使い始めています。

Step4>> スラッシュ・リーディング ~ 区切り読みしてみよう

英文を頭から理解できるよう、意味のかたまりごとにスラッシュ「/」で区切って読んでいきます。ひとつの区切りから次へ進むときに(誰が → 何をした → なぜ)というように、続く内容を予想しながら読むのがコツです。

Millions call for / another EU referendum

Over 3 million Britons / have signed a petition / for a second referendum / after / a majority of people / voted to leave / the European Union / on Thursday, / which sent shock waves / across the world.

Step5>> サイト・トランスレーション ~ 頭から順に和訳してみよう

スラッシュで区切った上の英文テキストを見て、区切りごとに日本語に訳していきます。後ろから返り読みせず、頭から読み進めるようにしてください。まず自分でサイトラをしてから、下の和訳例を見て比べてみましょう。

<和訳例> 数百万人が要求、/ EU国民投票のやり直しを

三百万人を超えるイギリス人が / 請願に署名した、/ 2度目の国民投票を求めて、/ 後で、/ 過半数の人々が / 離脱に投票した、/ 欧州連合の、/ 木曜日、/ そのことは衝撃を送った、/ 世界中に。

Step6>> リプロダクション ~ 和文から元の英文を再生してみよう

今度は逆に、スラッシュで区切った上の日本語テキストを見て、元の英文テキストを思い出しながら順に英語を再生していきましょう。

<解答をチェック!>

数百万人が要求、
Millions call for

EU国民投票のやり直しを
another EU referendum


三百万人を超えるイギリス人が
Over 3 million Britons

請願に署名した、
have signed a petition

2度目の国民投票を求めて、
for a second referendum

後で、
after

過半数の人々が
a majority of people

離脱に投票した、
voted to leave

欧州連合の、
the European Union

木曜日、
on Thursday,

そのことは衝撃を送った、
which sent shock waves

世界中に。
across the world.

Step7>> スピード音読 ~ 仕上げ読みしてみよう

最後に、英文テキストをできるだけ速く音読してください。読みながら意味が頭にすっと入ってきたらOKです。

United-Kingdom-Flag-3-iconMillions call for another EU referendum

Over 3 million Britons have signed a petition for a second referendum after a majority of people voted to leave the European Union on Thursday, which sent shock waves across the world.

参考記事: ニュースの背景知識を深めよう ~TBS News より~

EU離脱問題で波紋、再投票求める署名300万超

EU離脱が決まったイギリスでは、国民投票のやり直しを求める署名の数が300万を超えるなど、波紋が広がっています。

イギリス議会のHPには、EU残留を訴え、国民投票のやり直しを求める署名の数が300万を超えました。

イギリスでは、署名の数が10万を超す請願については議会が検討することになっています。しかしキャメロン首相は、以前から「2度目の国民投票はない」と述べています。

一方、ロンドンのカーン市長に対し「ロンドンのイギリスからの独立とEUへの加盟」を求めるインターネット上の署名活動も行われていて、賛同する人が16万人にのぼっています。

編集後記

先週末に急浮上した世界のキーワードは・・・「Brexit」でしょうか。

日本時間で先週木曜の夜時点では、確か「EU残留派が優勢」と伝えられていたはず。

私もネットニュースでそれを確認してから就寝したので、翌日の昼頃に途中経過を知って唖然としました。そして、まさかの「離脱派の勝利」という結末へ・・・。

今後、世界の株価や為替相場に長期の悪影響が出ないか心配ですが、気になるのは、当のイギリス人たちが本当に熟慮のうえでこの道を選んだのか、という点です。

離脱派の一部に「EUの意味がわからなかった」「今なら考え直して残留に投じる」などという声が上がっているのを見ると、国家の命運を握る投票なのだ、という自覚が足りなかったように思えます。

興味深いのは、イギリスの65歳以上の高齢者が圧倒的に「離脱」を支持し、24歳以下の若年層が逆に「残留」を望んでいたということ。で、投票率のほうは高齢者が高く、若年層は低かったそうです。

イギリスの未来を担う若者の進路を高齢者が決めた、というのは皮肉ですが、そもそも投票に行かないとダメなのでは? 自分の権利を放棄した後で文句を言っても通りませんからね・・・。

期せずして、日本の選挙年齢も18歳に引き下げられました。参院選での年代別の投票率に注目したいです。

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