冠詞 “a” と “the” を明確に区別する読解法!

今週のディクテーション課題「食べログ評価点訴訟」について、文法面から補足解説します。

やはり、今回も不定冠詞「a/an」と定冠詞「the」の選択に悩んだ方がいらっしゃいました。

答案ご提出者お二人がコメント欄に書かれた疑問点に回答します。

今週のディクテーション課題


Top restaurant review site found liable for damages

(A court ordered the operator) of Tabelog, a popular website that rates restaurants (based on aggregated user reviews), to pay 38.4 million yen in compensation to a Korean barbecue chain. The plaintiff claimed Tabelog’s proprietary algorithm (automatically downgrades chain restaurants), and that (its monthly customers fell) by over 5,000 as a result.

Q1:「The court」ではなく「A court」になる理由

とりさん

#1の冒頭は,最初Theに聞こえていたのですが,そういえば前に解説あったよなと思い,結局は参考英文記事を見てAにしました。

でも,やはり「東京地方裁判所っていう特定の裁判所なんだからTheなんじゃないの?」という思いをちょっとだけ感じてしまいました。

「世の中に複数存在するモノが、本文中に初めて登場するとき ⇒ 不定冠詞 “a” を使う」というのが原則です。

この原則を当てはめると、複数ある裁判所のひとつが本文で初登場するときは、「A court(ある裁判所)」となります。

いきなり「The court(その裁判所)」と限定してしまうと、「その裁判所って、どの?」という疑問が起こります。

書き手には「東京地方裁判所」だとわかっていても、その名称を出さない限り、読者には意図が伝わりません。

ただし「東京地方裁判所」と固有名詞を出す場合は、特定の裁判所なので「The Tokyo District Court」と定冠詞を付けます。

Q2:「an operator」ではなく「the operator」になる理由

すーさん

operatorsが最初に出てくるのにtheでいいのか迷いましたが、こちらは聞こえた方を優先しました。

この場合は、冠詞の付け方に注意が必要です。

確かに「operator」は「複数存在するモノ」なので、不定冠詞「a/an」を付ける、と解釈しがちです。

が、ここでは「the operator of Tabelog(食べログの運営会社)」の単位で解釈します。

「食べログを運営しているのは特定の会社」ですから、限定の定冠詞「the」になります。

もし「an operator of Tabelog」と不定冠詞「an」を付けると、「食べログを運営する複数の会社のうち1つ」という意味になってしまいます。

初出の単語でも、限定の要素がある場合は定冠詞を使います。※不定冠詞、と記載されており大変失礼しました。


以上、英文解釈の理解にお役に立ちましたら幸いです。

今後のディクテーション課題ご提出のときに、ぜひこの知識を生かしてくださいね。

この記事に関してご意見、ご感想がありましたら、ぜひコメント欄からお聞かせください。

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2 thoughts on “冠詞 “a” と “the” を明確に区別する読解法!

  1. とり より:

    解説ありがとうございます。

    最初に出てくるからAなんですね。他方,そのあとのthe operator of Tabelogはこの部分で限定されているのでtheですね。こちらがtheだったのでちょっと迷ったということもありました。

  2. すー より:

    大変丁寧な解説ありがとうございました。

    そもそも、operator という語の解釈を、食べログで評価を担当している社員(たち)と誤解していました。

    昼休みのうちに提出しておかないと、きっと提出期限に間に合わないと思って、参考記事を読まずに提出してしまいましたが、そちらにこの部分は出ていたのに後で気が付きました。

    ただ、今回の解説を読んで、もし食べログが複数の会社の共同経営だったら a になる可能性もあったのかと、日本語にない、冠詞の意味の深さに気づくことが出来ました。

    いつも色々勉強になります。本当にありがとうございます。

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