英語がペラペラって何ですか

 

これから英語を本格的に学ぼうとしている初心者の人たちはよく、「ペラペラ話せるようになりたい」という表現を使います。

私も以前はそういう言葉を使っていたかもしれません。

でも、これだけじゃ具体的な目標とはいえないんですよね・・・。

なぜなら、「英語がペラペラ」の定義は人によって全然違うからです。

かつて、私の英語教室の受講生からこんな逸話を聞いたことがあります。

その方は自分の学習塾で英語を指導している上級クラスの女性で、既に英検1級をお持ちでした。

そんなにハイレベルな人でも、「さらに会話力を伸ばしたい」「大人を指導できるようになりたい」などの高い目標を持って学習しているのです。

あるとき、彼女は旅行先の海外レストランで日本人の知人に偶然出会ったそうです。

その人は英語が苦手で食事の注文に困っている様子だったので、気を利かせて助けてあげたとのこと。

彼女にとっては本当に何でもないことだったのですが、その知人はひどく感心し、

「〇〇さん、すごい!英語ペラペラなんですね」と目を丸くしたらしいです。

それを聞いた彼女は、(え、この程度のことでそんなふうに見えるんだ)と逆に驚いたようです。

そういえば、私も過去にこんな経験をしたことがあります。

JICAの技術通訳である大学の研究室に同行したとき、たまたまスペイン語の話せる日本人講師がいたのです。

ご本人によると、中級レベル程度の会話力だったそうですが、スペイン語の知識がほとんどない私にとっては、彼の話す言葉がとても流暢に響きました。

まさに「スペイン語がペラペラ」状態に聞こえたのです。

こう考えてみると、ある言語に関する自分の語学力が上がるにつれて、「ペラペラ」という表現は使わなくなる気がします。

私の周囲でも、同僚の英語講師や英語コーチ、上級レベルの学習者でこういう言い回しする人はいないですね・・・。

別に使ってもいいと思うのですが、「英語がペラペラ」だけではあまりにも定義が大雑把すぎます。

本当に上達したいと思うなら、「誰と何について、どれだけ話せるようになりたいのか」「また、いつまでにそれを達成したいのか」

ここまで具体的に掘り下げて目標を定める必要があります。

なんとなく(いつか話せるようになったらいいな~)とぼんやり願っているだけでは、その「いつか」なんて永遠にやって来ませんから。

万年初心者の人は、この目標設定をきちんとしていないか、見通しが甘いように感じます。

以上、学習のご参考になりましたら幸いです。

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