英文で読む【安倍元首相の国葬決定】


政府は、参院選の直前に撃たれて亡くなった安倍元首相の「国葬」を行うことを正式決定しました。

国葬を決めた理由として、岸田首相は「内政・外交で残した大きな実績を残した」などを挙げています。

今週のディクテーション課題は、この話題についての英文記事「Japan plans state funeral for ex-PM Abe Shinzo」を土台に作成しました。

使われている語彙や表現を学び、ディクテーション課題に取り組む際の参考にしてくださいね。

英文記事で読み解く「安倍元首相の国葬決定」

取り上げる「Kyodo News」の英文記事はこちらです。

Japan plans state funeral for ex-PM Abe Shinzo:NHK World JapanJuly 14, 2022)

こちらは、同じテーマを扱った和文記事です。

※一定期間を過ぎると、記事が削除されている場合があるのでご了承ください。

今回の学習コラムでは、英文記事から「ディクテーション課題に関連した内容」と「日本人が間違えやすい文法・表現」の含まれた段落を抜粋しました。

英文読解の参考となるよう「和訳例」「語句の解釈」「ミニ解説」を入れています。

また、和訳は、英語の流れに沿って訳す「サイト・トランスレーション」形式にしました。

では、英文記事を順に読み解いていきましょう。

政府が安倍元首相の国葬決定を発表

Japan’s Prime Minister Kishida Fumio says / the government will hold a state funeral / for former Prime Minister Abe Shinzo / in the autumn.

Kishida announced the plan / in a news conference on Thursday / after expressing his condolences for Abe, / who was fatally shot / during a campaign speech / on Friday. :「NHK World Japan」 より

和訳例)日本の岸田首相は述べた、/ 政府が国葬を行うと、/ 安倍元首相の、/ 秋に。

岸田氏は計画を発表した、/ 木曜の記者会見で、/ 安倍氏への弔意を表した後、/ 銃撃で死亡した、/ 選挙の応援演説中に、/ 金曜に。

語句の注釈

condolences(名)弔意、fatally(副)致命的に

ミニ解説)「国葬」は英語で「state funeral(国家による葬儀)」と表現しています。

express one’s condolences for A」で「A(故人)に対して自分の哀悼の意を表明する」となります。

「condolences」が複数形になる点に注意しましょう。

「who was fatally shot」の「fatally shot」は「銃撃され、致命傷を負う」という意味です。

海外メディアでは「shot dead(射殺された)」「assassinated(暗殺された)」と強い言葉で報じているのに対し、日本のメディアは「銃撃事件」「銃撃で死亡する」という表現を使っています。

この事件に対する「解釈や国民性の違い」を反映しているように思えます。

首相経験者の国葬は戦後2人目

It will be the second state funeral / for a former prime minister / after World War Two. / The only one / was for former Prime Minister Yoshida Shigeru, / who died in 1967. :「NHK World Japan」 より

和訳例)これは2人目の国葬となる予定である、/ 総理大臣経験者の、/ 第二次世界大戦後。/ 唯一の先例は、/ 吉田茂元首相に対するものだった、/ 1967年に亡くなった。

ミニ解説)「a former prime minister(元首相)」は「特定の誰か」ではなく、「歴代の元首相全体」が対象となるため、不定冠詞の「a」を付けます。

「World War Two(第二次世界大戦)」の頭に定冠詞「the」が付かないことに注意してください。

また「the Second World War」という表記もあり、こちらは定冠詞が付きます。

この2つの表現を混同しないよう、分けて覚えておきましょう。

賛否両論を自由に論じられるのが民主国家

安倍元首相は国内外での評価が高く、確かに「歴史に名を残す総理大臣」だったと思います。

が、国葬については野党から反対の声も上がっており、世論が分かれている印象です。

個人的には、政府が正式決定する前に、もっと国民の意見に耳を傾けてもらいたかったです。

在任中に浮上した一連の疑惑、すなわち森友・加計学園問題、「桜を見る会」問題などが解決していないからです。

また、この事件で浮き彫りになった「政治家と宗教の不透明な関係」も非常に気になります。

ぜひ、岸田政権には説明責任を果たしてもらいたいです。

国葬が行われることで、「自民党にとって都合の悪いことに蓋をし、全てが美化される」風潮にならないことを強く願います。

安倍政権への評価や国葬の決定について、賛否両論を自由に論じられるのが民主国家ではないでしょうか。


以上、「ディクテーション課題に関連した内容」と「日本人が間違えやすい文法・表現」を抜粋して解説しました。

今週のディクテーション課題は、この解説コラムで取り上げた英文記事が土台になっています。

英文の「聞き取りのヒント」として、答案提出前に読み込んでおいてくださいね。

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