作家ハラリ氏からの警鐘:パンデミックの対処法が極めて重要【A warning from author Harari : handling of pandemic crucial】

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Step1:穴埋めディクテーション

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A warning from author Harari: handling of pandemic crucial

Speaking to a 2020 interview, historian and bestselling author Yuval Noah Harari ①(      ) if the COVID-19 pandemic is not contained, ②(      ). He said ③(      ) but also to peace and stability, ④(      ) authoritarianism.

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A warning from author Harari: handling of pandemic crucial

Speaking to a 2020 interview, historian and bestselling author Yuval Noah Harari (warned of dire consequences) if the COVID-19 pandemic is not contained, (particularly in developing countries). He said (the virus is a threat not only to public health) but also to peace and stability, (as it could undermine democracies and contribute to) authoritarianism.

Step2:重要単語と語句

crucial(形)極めて重要な

dire(形)悲惨な、恐ろしい

consequence(名)結果、帰結

undermine(動)弱体化させる、むしばむ

authoritarianism(名)独裁政治、独裁主義

Step3:ミニ解説

◆ A warning from author Harari: handling of pandemic crucial 作家ハラリ氏からの警鐘:パンデミックの対処法が極めて重要

英文記事のタイトルでは、冠詞やBe動詞を省略する傾向があります。

ただし、ここでは「重大な警鐘」という意味を強調する意図から、冒頭の不定冠詞「A」を省略せずに残しています。

通常の英文に直すと以下のようになります。(  )が変更・補足した箇所です。

A warning from author Harari: (the) handling of (the) pandemic (is) crucial.

「pandemic」は「感染症の世界的流行」という意味で、この記事では「コロナウイルスの世界的流行」を指しています。

「handling(取り扱い、対応)」は、記事では「コロナへの向き合い方、対処の仕方」という意味で用いられています。ここでは「対処法」という訳にしています。

◆ Speaking to a 2020 interview, 2020年のインタビューに答えて、

分詞構文「Speaking to」は「When he spoke to」という意味なので「2020年のインタビューで話したとき」という訳になりますが、自然な日本語表現にしています。

◆ historian and bestselling author Yuval Noah Harari 歴史学者でベストセラー作家のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、

「historian and bestselling author」が形容詞句として人名の「Yuval Noah Harari」を修飾しています。

「historian」と「bestselling author」が同じ人物を指していることに注意しましょう。「歴史家であり、ベストセラー作家でもある」という意味です。

ユヴァル・ノア・ハラリ:イスラエルの歴史学者。ヘブライ大学教授。世界的ベストセラー『サピエンス全史』『ホモデウス』の著者。(Wikipedia より)

◆ if the COVID-19 pandemic is not contained,  もし、コロナのパンデミックが抑えられなければ、

「contain」は「含む、含有する」という定義が一般的ですが「感染の拡大を抑える、封じ込める」という意味もあります。

◆ as it could undermine democracies というのも、それは民主政治をむしばむ可能性があり、

「it」は、前に出た「the virus」を指します。

「could」は過去形ではなく、「~しうる、~の可能性がある」という意味の助動詞です。

複数形「democracies」は、「democracy(民主主義)」という一般概念とは異なることにご注意ください。

ここでの「democracies」は、「民主主義国家、民主政治」など民主主義の個別のシステムが複数あるという解釈です。

◆ and contribute to authoritarianism. また、独裁政治の一因となりえるからである。

「contribute to(一因となる)」は、前のチャンクの「could(~しうる、~の可能性がある)」から続いているので、「一因となりえる」という訳になります。

Step4:スラッシュ・リーディング

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A warning from author Harari: / handling of pandemic crucial

Speaking to a 2020 interview, / historian and bestselling author Yuval Noah Harari / warned of dire consequences / if the COVID-19 pandemic is not contained, / particularly in developing countries. / He said the virus is a threat / not only to public health / but also to peace and stability, / as it could undermine democracies / and contribute to authoritarianism.

Step5:サイトトランスレーション

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和訳例を確認

作家ハラリ氏からの警鐘:/ パンデミックの対処法が極めて重要

2020年のインタビューに答えて、/ 歴史学者でベストセラー作家のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、/ 恐ろしい結果について警鐘を鳴らした、/ もし、コロナのパンデミックが抑えられなければ、/ 特に発展途上国において。/ 彼いわく、ウイルスは脅威である、/ 公衆衛生に対してだけでなく、 / 平和と安定に対しても、/ というのも、それは民主政治をむしばむ可能性があり、/ また、独裁政治の一因となりえるからである。

Step6: 反訳トレーニング

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作家ハラリ氏からの警鐘:
A warning from author Harari:

パンデミックの対処法が極めて重要
handling of pandemic crucial


2020年のインタビューに答えて、
Speaking to a 2020 interview,

歴史学者でベストセラー作家のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、
historian and bestselling author Yuval Noah Harari

恐ろしい結果について警鐘を鳴らした、
warned of dire consequences

もし、コロナのパンデミックが抑えられなければ、
if the COVID-19 pandemic is not contained,

特に発展途上国において。
particularly in developing countries.

彼いわく、ウイルスは脅威である、
He said the virus is a threat

公衆衛生に対してだけでなく、
not only to public health

平和と安定に対しても、
but also to peace and stability,

というのも、それは民主政治をむしばむ可能性があり、
as it could undermine democracies

また、独裁政治の一因となりえるからである。
and contribute to authoritarianism.

Step7:スピード音読

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A warning from author Harari: handling of pandemic crucial

Speaking to a 2020 interview, historian and bestselling author Yuval Noah Harari warned of dire consequences if the COVID-19 pandemic is not contained, particularly in developing countries. He said the virus is a threat not only to public health but also to peace and stability, as it could undermine democracies and contribute to authoritarianism.

参考記事:歴史学者ハラリ氏が語るコロナの危険性と“未来”(テレビ朝日:2021年11/12(木))

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000235006.html

イスラエル、ヘブライ大学の歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ教授(45)は、世界で最も影響力のある知識人とも称され、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏や、Facebook創業者(現Meta)のマーク・ザッカーバーグ氏もファンと公言しています。

マーク・ザッカーバーグ氏:「ハラリさんの功績のほとんどには、非常に興味深い未来への重要な洞察と質問が含まれています」

人類の歴史を原始時代から紐解いた『サピエンス全史』は、全世界で2100万部も売れ、今週に発売された漫画版も人気を集めています。

人類の歴史を見つめ続けたハラリ教授は今、どんな未来を見ているのでしょうか。独占インタビューです。

編集後記

テレビ朝日が企画した歴史学者ハラリ教授へのインタビュー。先日、受講生の方から次の動画をシェアいただきました!非常にわかりやすい英語です。

世界で最も影響力のある知識人とも称される、歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ教授。 人類の歴史を原始時代から紐解いた著書「サピエンス全史」は全世界で2100万部超の大ヒットを生み、その後の著書も大ベストセラーとなる注目の歴史学者です。

そんなハラリ教授がコロナ時代に懸念していることが「グローバリズムの逆行」と「監視社会の加速」です。

時代が動く帰路に立たされている私たちは、いま多くの「重要な選択」が迫られていると語ります。その選択の先に、私たちには、どのような未来が待っているのでしょうか。(動画の概要欄より)

「感情までAIに監視される近未来社会」「政府や大企業を見張る双方向監視」というハラリ教授の視点が秀逸ですね。

なんだか、昭和の頃に読んだ「SF小説の世界」へ近づいているようで少しゾッとしますが…。

上記の動画がきっかけで、近々、私の授業でこのTopicを扱うことになりました。

今回の通訳式英語ニュースも、それに連動して作成したものです。

普段は私がTopicを選ぶのですが、自分では思いつかなかった視点で新鮮な気分です。

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