英文で読む【LGBT法可決に当事者が失望】


6月13日に衆議院で可決した「LGBT理解増進法案」は、一見、「性的少数者への差別撤廃に役立つ法律」のように映ります。

が、実際にはLCBTQ団体など当事者から多くの失望と抗議の声が上がっています。

主な理由は、「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」など加筆修正された文言が、「性的少数者への差別を助長しかねない」と解釈されているためです。

今週の穴埋めリスニングQuizは、この話題についての「UCA NEWS」の英文記事を土台に作成しました。

使われている語彙や表現を学び、ディクテーション課題に取り組む際の参考にしてくださいね。

英文記事で読み解く「LGBTQ法案が可決」

取り上げる英文記事はこちらです。

こちらは、同じテーマを扱った和文記事です。

※一定期間を過ぎると、記事が削除されている場合があるのでご了承ください。

今回の学習コラムでは、英文記事から一部の段落を抜粋しました。

英文読解の参考となるよう「和訳例」「重要単語」「ミニ解説」を入れています。

また、和訳は、英語の流れに沿って訳す「サイト・トランスレーション」形式にしました。

では、英文記事を順に読み解いていきましょう。

LGBT法連合会が政府の法案可決を批判

A leading LGBTQ group / slammed the Japanese government / after the national parliament passed a law / that the activists allege does not guarantee / an end to discrimination / toward sexual minorities in the country. :「UCA NEWS」 より

和訳例)ある主要なLGBTQ団体が、/ 日本政府を非難した、/ 国会が法案を可決した後、/ 活動家たちが「保証していない」と主張する、/ 差別の終結を、/ 性的マイノリティに対する。

重要単語

slam(動)非難する,  parliament (名)国会,  allege(動)主張する

ミニ解説)「 that the activists allege does not guarantee 」の「that」は関係代名詞の主格です。

先行詞は直前の名詞「a law」です。

また、挿入部分の「the activists allege(活動家たちが主張するところの)」を( )でくくり、「a law that (the activists allege) does not guarantee 」と解釈すると文意がわかりやすいです。

骨格だけを抜き出すと「a law that does not guarantee(〜を保証しない法律)」となります。

これは「活動家たちの主張」であるため、正確な意味は「a law that (the activists allege) does not guarantee 」=「(活動家たちの言葉を借りると、)〜を保証しない法律」となります。

「ある主要なLGBTQ団体」とは後述の「LGBT法連合会(Japan Alliance for LGBT legislation)」を指しています。

「LGBTQ」は「性的マイノリティー」を表しており、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシャル)、Transgender(トランスジェンダー)、QueerまたはQuestioning(キュアまたはクエスチョニング)の頭文字を取った略語です。

 LGBT法連合会が法律への批判声明を発表

In a statement on June 13, / Japan Alliance for LGBT Legislation said / the legislation passed by the lower house of Diet, / Japan’s legislative assembly, / primarily safeguards the majority of the society / and not the sexual minorities, / Kyodo News reported.:「UCA NEWS」 より

和訳例)6月13日の声明で、/ LGBT法連合会は述べた、/ 国会の衆議院で可決された法律は、/ 日本の立法機関である、/ 主な保護の対象が社会の多数派であり、/ 性的少数派ではないと、/ 共同通信の報道によると。

重要単語

statement(名)声明、 alliance (名)連合legislation(名)法律、 safeguard (動)保護する

語句解説

LGBT法連合会(Japan Alliance for LGBT legislation):性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会 

ミニ解説)「the legislation (which was) passed by the lower house of Diet」の英文は、関係代名詞の主格+be動詞「which was」を補い、「passed」を受け身の過去分詞と解釈するとわかりやすいです。

 LGBT法連合会が6月13日に発表した声明

2023年6月13日、衆議院本会議において、いわゆる「理解増進法」が本会議で可決された。この法案は、私たちの求めてきた法案とは真逆の内容であり、当事者にさらなる生きづらさを強いるものである内容となっていることを、強く非難する。

この法案は、当事者にとっての「暗黒時代」の到来につながるものとして、最大限の警鐘を鳴らし、今が緊急事態であること、このままの法案が成立することは、当事者コミュニティにとって、深刻な被害をもたらし得るものであることを、この声明をもって表明する。 ▶【声明】「理解増進法」の衆議院可決に警鐘を鳴らす声明


以上、今回は「ディクテーション課題の背景知識」を養う英文記事を取り上げました。

今週のディクテーション課題は、この解説コラムで取り上げた英文記事が土台になっています。

英文の「聞き取りのヒント」として、答案提出前に読み込んでおいてくださいね。

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