イランとサウジの対立深まる【Iran-Saudi row deepens】

News-icon14-64こんにちは!やさしい英語ニュースのAkiです。
では、本日の英語ニュースです。7ステップの学習メニューを順にこなしていきましょう。

Step1>> 英語ニュース全体をリーディング

最初に英語ニュース全体を通して読み、だいたいの意味をつかみます。この段階では単語や構造、文法の疑問点があってもかまいません。

Sheikh-iconIran-Saudi row deepens

Relations between Saudi Arabia and Iran, two big oil producers in the Middle East, quickly deteriorated following the kingdom’s execution of a top Shiite cleric on Saturday.

Step2>> 重要単語と語句

row(名詞):騒動、対立

deteriorate(動詞):悪化する

execution(名詞):処刑

cleric(名詞):聖職者

Step3>> 頻出表現と文法のミニ解説

◆ Iran-Saudi row deepens = イランとサウジの対立深まる

「Saudi」は「Saudi Arabia」の省略形です。英文タイトルでは長い名称を短縮する傾向があります。

「row(対立・騒動)」の発音が「ラウ」となることに注意しましょう。いっぽう、同じ綴りで「列」という意味の単語は「ロウ」と発音します。

◆ Relations between Saudi Arabia and Iran, two big oil producers in the Middle East,
= サウジアラビアとイラン、すなわち中東の2大産油国の関係

「Saudi Arabia and Iran」をコンマの後で「two big oil producers in the Middle East」と言い換えた同格の名詞句です。ここでの「producers」は国を指すため、「producing countries」と表現することも可能です。

◆ following the kingdom’s execution of a top Shiite cleric on Saturday.
= 土曜日にその王国がシーア派指導者を処刑したことを受けて

「kingdom(王国)」は前述の「Saudi Arabia」を別の呼び方に置き換えた手法です。英語では同じ単語の繰り返しを避けることが多いので、何を指しているのか文脈から判断しましょう。

「Shiite(シーア派)」 はイスラム教の2大宗派のひとつで、イランはシーア派が多数を占める国です。いっぽう、サウジアラビアは対立する「Sunni(スンニ派)」が主流の国です。

Step4>> スラッシュ・リーディング ~ 区切り読みしてみよう

英文を頭から理解できるよう、意味のかたまりごとにスラッシュ「/」で区切って読んでいきます。ひとつの区切りから次へ進むときに(誰が → 何をした → なぜ)というように、続く内容を予想しながら読むのがコツです。

Iran-Saudi row / deepens

Relations / between Saudi Arabia and Iran, / two big oil producers / in the Middle East, / quickly deteriorated / following / the kingdom’s execution / of a top Shiite cleric / on Saturday.

Step5>> サイト・トランスレーション ~ 頭から順に和訳してみよう

スラッシュで区切った上の英文テキストを見て、区切りごとに日本語に訳していきます。後ろから返り読みせず、頭から読み進めるようにしてください。まず自分でサイトラをしてから、下の和訳例を見て比べてみましょう。

<和訳例> イランとサウジの対立 / 深まる

関係が、/ サウジアラビアとイランの間の、/ 2大産油国である、/ 中東の、/ 急速に悪化した、/ 受けて、/ その王国による処刑を、/ シーア派指導者の、/ 土曜日の。

Step6>> リプロダクション ~ 和文から元の英文を再生してみよう

今度は逆に、スラッシュで区切った上の日本語テキストを見て、元の英文テキストを思い出しながら順に英語を再生していきましょう。

<解答をチェック!>

イランとサウジの対立
Iran-Saudi row

深まる
deepens

—————————————————–

関係が、
Relations

サウジアラビアとイランの間の、
between Saudi Arabia and Iran,

2大産油国である、
two big oil producers

中東の、
in the Middle East,

急速に悪化した、
quickly deteriorated

受けて、
following

その王国による処刑を、
the kingdom’s execution

シーア派指導者の、
of a top Shiite cleric

土曜日の。
on Saturday.

Step7>> スピード音読 ~ 仕上げ読みしてみよう

最後に、英文テキストをできるだけ速く音読してください。読みながら意味が頭にすっと入ってきたらOKです。

Sheikh-iconIran-Saudi row deepens

Relations between Saudi Arabia and Iran, two big oil producers in the Middle East, quickly deteriorated following the kingdom’s execution of a top Shiite cleric on Saturday.

参考記事: ニュースの背景知識を深めよう

~CNNジャパン より~  サウジとイランの対立、近隣諸国にも拡大

イスラム教スンニ派国家のサウジアラビアがシーア派指導者を処刑したことをきっかけに、同国とシーア派国家イランの対立が激化した問題は、中東の近隣諸国などを巻き込んでさらに深刻さを増している。

サウジ政府はイランとの関係断絶宣言に続き、4日には両国を結ぶ航空便の運航を全て停止すると発表。この措置はただちに施行された。

編集後記

イランとサウジアラビアの対立は歴史的にも根深いようです。

ある報道番組の解説では、「国際的に孤立する傾向のあったシーア派のイランが、最近はアメリカと融和する姿勢を見せている変化にスンニ派のサウジアラビアが危機感をもった」ことが背景にある、と述べていました。

中東のどの国がスンニ派、シーア派なのか・・・というレベルから把握する必要があるので、こういう宗教がらみの国家対立を日本人がすっと理解するのは大変かもしれません。

ひとつ心配なのは、この混乱をシリアのIS(イスラム国)が利用する状況にならないか、という点です。

あの後藤さんと湯川さんがISの犠牲になったおぞましい事件からまもなく1年になります。残念ながら、中東はまだまだ平和からほど遠い状況ですね。

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