ヤフーが 「忘れられる権利」の新規定を発表【Yahoo Japan announces new rules on “right to be forgotten”】

2015年4月1日に配信した「やさしい英語ニュース」です。

今週の課題Topicと同じ「忘れられる権利」がテーマなので、ご参考まで!

当時は英語ニュースを週に2回配信していたこともあり、1回分があっさりして短いですね。

反復用:動画で通訳トレーニング

Step1:全体リーディング

【説明を表示】

Yahoo Japan announces new rules on “right to be forgotten”

Yahoo Japan announced on Monday that it will remove certain personal information from search results upon requests under the new guidelines for the “right to be forgotten.”

Step2:重要単語と語句

remove(動詞):取り除く
request(名詞):要望

Step3:ミニ解説

◆ it will remove certain personal information from search results = 検索結果から(ヤフー・ジャパンが)ある種の個人情報を取り除く

主語の代名詞「it」は冒頭の「Yahoo Japan」ですね。日本語メディアでは社名を単に「ヤフー」と表記する場合が多いようです。

発表が既に行なわれたため「announced」の部分は過去形になりますが、中味が将来にかかわる内容なので、「will remove」と未来形で表しています。

「certain」は「「ある種の条件が付いた(ここでは検索結果から除外すべきと判断された)」というニュアンスの形容詞です。

英語の「information」は不可算名詞なので無冠詞の単数で使用しています。

◆ under the new guidelines for the “right to be forgotten.” = 「忘れられる権利」に関する新しい指針のもとで

ここでの「guidelines」は「rules」に置き換えてもOKです。

“right to be forgotten”はインターネットで情報検索できる現代特有の概念ですね。従来の”right to know”(知る権利)と対比をなす考え方です。

Step4:スラッシュ・リーディング

【説明を表示】

Yahoo Japan / announces new rules / on “right to be forgotten”

Yahoo Japan / announced on Monday / that it will remove / certain personal information / from search results / upon requests / under the new guidelines / for the “right to be forgotten.”

Step5:サイトトランスレーション

【説明を表示】
和訳例を確認

ヤフー・ジャパンが / 新規定を発表、/ 「忘れられる権利」の

ヤフー・ジャパンが / 月曜日に発表した、/ 削除すると、/ ある種の個人情報を、/ 検索結果から、/ 要請に応じて、/ 新しい指針のもと、/ 「忘れられる権利」に関する。

Step6: 反訳トレーニング

【説明を表示】
解答をチェック!

ヤフー・ジャパンが
Yahoo Japan

新規定を発表、
announces new rules

「忘れられる権利」の
on “right to be forgotten”


ヤフー・ジャパンが
Yahoo Japan

月曜日に発表した、
announced on Monday

削除すると、
that it will remove

ある種の個人情報を、
certain personal information

検索結果から、
from search results

要請に応じて、
upon requests

新しい指針のもと、
under the new guidelines

「忘れられる権利」に関する。
for the “right to be forgotten.”

Step7:スピード音読

【説明を表示】

Yahoo Japan announces new rules on “right to be forgotten”

Yahoo Japan announced on Monday that it will remove certain personal information from search results upon requests under the new guidelines for the “right to be forgotten.”

参考記事:スポーツニッポン

ヤフー、情報削除の初基準 「忘れられる権利」背景

ヤフーは30日、インターネット検索で表示される情報の削除に関する基準をネット業界で初めて公表した。

表示内容や削除を要請した人の属性を検討し、未成年などプライバシーの侵害が明白な場合は該当部分の削除に応じるとした。31日から適用する。

「忘れられる権利」や「消去権」として、欧州を中心にネット上の情報削除を求める機運が高まっていることが背景にある。

ヤフーが示した基準は、従来の内部ルールから大きな変更はないが、一般に周知することで削除要請に対応する姿勢を示す狙いがある。

削除要請があった際に、プライバシー保護を優先して検討するのは、要請した人が未成年などの場合のほか、表示内容が性的画像や病歴、犯罪やいじめ被害などの場合となる。

編集後記

前回配信分の英語ニュースについて、読者の方からご質問をいただいたので以下の通り補足説明します。

墜落機の独副操縦士が病気を勤務先に隠ぺい
German co-pilot in airlines crash hid illness from employer

The German co-pilot who is suspected of intentionally crashing an airliner into a French mountainside on Tuesday, killing all 150 aboard, apparently kept a mental illness hidden from his employer.

Q: 今日の文章の中で—crashing an airliner —とありますが、ここの冠詞は やっぱり an になりますか?

自分が書いたらとまず間違いなく the にしちゃうなあと思い質問させて頂きました。あの事故、あの飛行機 という世界中が知ってる共通認識?からすると the じゃないのかなあと。

この辺はどんな意識が働いて an になるのでしょうか?もし出来ればお時間のあるときに教えて頂ければ助かります。よろしくお願い致します。

A: まず、大々的に報道されて有名になった人や物事であっても、その英語ニュースで初めて登場したときは、世界にひとつしか存在しない事物であるか、または修飾語句を付けて条件を特定していない限り、定冠詞「a」を使用するほうが自然です。

このことを前提に今回の英文を見てみると、「旅客機」は複数存在する物であり、英語ニュース本文では「airliner」の部分に条件を特定する修飾語句が付いていないため、不定冠詞を取って「an airliner(ある旅客機)」としているのです。

副操縦士はたまたま「ある旅客機」に搭乗していたわけで、日時が異なれば別の飛行機に乗って同じ行動を取った可能性がありますよね。

ただし、厳密には「the airliner」としても間違いではなく、「彼が搭乗していた旅客機」という意味で特定されていると解釈することも可能です。

いっぽう、修飾語句の付いた以下のような英文なら「the airliner」と定冠詞になるのが通常です。

the airliner which crashed into a French mountainside on Tuesday
火曜日にフランスの山腹に墜落した旅客機

この火曜日に「フランスの山腹に墜落した」という説明にあてはまる旅客機は一機しか存在せず、条件が特定されるからです。

冒頭の「German co-pilot」に定冠詞の「The」と付けているのも同様の理由で、関係代名詞「who」以下で「火曜日に旅客機を墜落させたドイツ人副操縦士」と説明しています。

この条件にあてはまる人物がひとりしかいないので、定冠詞を使用しています。

以上、ご参考になりましたら幸いです。文章で説明すると長くなってしまいますね^^;

☆ ☆ ☆

さて、今日は4月1日。職場や学校の環境が変わった方もおられるでしょうね。新年同様、フレッシュな気分で仕事や勉強に励みましょう!

では、また次回の英語ニュースでお目にかかりましょう。

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